はじめまして。直見 キンドルです。
こちらまで見に来てくださって、本当にありがとうございます。
まず最初の記事として、私が2023年の5月に作成した「尊厳死宣言公正証書の原文」を残します。
今後の出版で、もっと丁寧に網羅性のある情報をお伝えするのですが、旅する老後研究所(という会を開いています)などで、
尊厳死宣言公正証書というものを作ってみたのです。
とお話すると、必ずといっていいほど、
それは何!?ぜひ内容を知りたいわ!
と、これまで何度もご質問を頂いた情報で、需要が高いと思うからです。
探せば、尊厳死宣言の公正証書の原案というものはネットのあちこちに存在しますので、ご自身に合ったものを採用されたらと思います。私も様々なものを確認し、自分にフィットするものを探し出し、さらに独断と偏見で内容を書き換えています。
本当はもっとシンプルなものが一般的なようです。ただ、私は色々詰め込みたかったので、結果としてこうなりました。
当日、公証役場で打ち合わせの時、もっとツッコミがあるかと思いましたが、個人の意思表明だからでしょうか。内容に対する公証人からの意見等は全くありませんでした。
一つの例ということで、気楽に見ていただければと思います。
本当は、こんな堅い文書なしで、金銭的負担もなしで、(15,000円くらいかかりました。私はここに価値を見出していますが、普通負担ですよね。)誰もが自分の意思を自由に認められ、安心して老いて死ぬことができる世の中になればいいのにと思います。
そして、実際に作ってみて感じたことですが、例文はあくまで一例似すぎないので、不要なところはバッサリ削り、お好みの文言を入れるなど、内容は自由だと思いました。あなたのお好みの文章を作成されるのが一番良いのではないでしょうか。
尊厳死宣言公正証書 例文(あくまで私の場合)
令和●●年 第●●●号
尊厳死宣言公正証書
本公証人は、尊厳死宣言者 直見 キンドル(自分の名前です。突然ふざけているみたい。)の嘱託により、令和●年●月●日(公正証書作成の日付)、その陳述内容が依頼者本人の真意に基づくものであることを確認の上、宣言に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。
第一条
私●●●●(自分の名前)は、私が将来不治の傷病または高齢によって死期が迫り、意識を失うような状態に陥ったり、たとえ呼びかけには応じても意識は朦朧としている状態になったり、または意識はあっても自分の意思を伝えることができない状態で、自分で身の回りのことができず、自分で飲むことも食べることもできなくなったりした場合等に備えて、私の家族及び私の医療に携わっている医師、看護師その他医療関係者の方々に、以下の要望を宣言します。
なお、ここに明記した特定の医療行為の実施または拒否については、医師の事前説明は不要とします。
1 私の呼吸が停止して、身体のあらゆる循環が停止した場合、蘇生措置は絶対にしないでください。
2 私に苦痛を与え、私の体に負担のかかる医療措置(他の組織や臓器の提供を受けることを含むあらゆる手術等、痰吸引、尿道カテーテルを含む)は絶対にしないでください。
3 私が自分の力では水も飲めず、食べ物を食べられなくなったら、無理に飲ませたり、食べさせたり、点滴や栄養補給をしないでください。
特に、死期を伸ばすためだけに鼻管チューブを入れたり、胃ろうを作ったりということは、絶対にしないでください。
4 私が自分の力で呼吸ができなくなっても、人工呼吸器を付けないでください。
万一、人工呼吸器が付けられる場合でも、いったん電源を切っていただき、私の自発呼吸が戻らなかったら、人工呼吸器を取り外してください。
また、そうなったら、昇圧剤も輸液も人工透析も血漿交換などもやめてください。
5 私の苦しく見える状態を緩和していただける治療をしてくださるなら、喜んでお受けいたします。
そのために、麻薬などの副作用により死亡時期が早まったとしてもかまいません。
決して、昇圧剤や脳圧低下薬などの延命のための治療はしないでください。
第2条
この証書の作成にあたっては、あらかじめ私の家族である次の者の了解を得ております。
第3条
私に前条記載の症状が発生したときは、私の命を長らえるために努力をしてくださっている、医師、看護師その他医療関係者の方々、さらには私の家族達におかれては、どうか、私の意思に従い、私が人間として尊厳を保った安らかな死を迎えることができるようご配慮ください。
第4条
第1条記載の症状が発生するとき、私は必要がある限りの臓器提供を希望しています。予測できる場合は可能な範囲で準備をしていただき、臓器移植の準備が整うまでの延命措置については、最長を2週間とし、できる限り短い期間となるようにお願いいたします。
第5
私のこの宣言による要望を忠実に果たしてくださる方々に深く感謝申し上げます。
そして、その方々が私の要望に従ってされた行為の一切の責任は、私自身にあることを宣言します。
第6条
警察、検察の関係者におかれましては、私の家族や医師、看護師その他の医療関係者の方々が、私の意思に沿った行動を執ったことにより、これらの方々を犯罪捜査や訴追の対象とすることのないよう特にお願いします。
第7条
この宣言は、私の精神が健全な状態にあるときにしたものであります。
したがって、私の精神が健全な状態にあるときに私自身が破棄又は撤回しない限り、その効力は持続するものであることを明らかにしておきます。
必要書類・日程など
せっかくなので、公正証書の原案だけではなく、必要書類や日程等も下記にまとめますね。
公正証書の作成過程
- 考える 公正証書の原案を調べて自分のための文章を考える
- 相談する 家族に公正証書作成について相談し、了解をとる
- 調べる 最寄りの公証役場の持ち物などを確認する
- 電話 公証役場に電話連絡し、準備の相談の日程調整をする
- 公証役場 原案の相談をする
- 電話 公証役場での作成の日を相談する
- 公証役場 公正証書を作成
用意するもの
- 作成料 15,000円くらい(内容の枚数によります)
- 身分証明書 運転免許証、マイナンバーカードなど
- 原案 よく使われている形式のものが公証役場で提案される可能性もあり
- 住民票 1通(有効期限基本3ヶ月なので、日程が決まってから取るのをお勧めします。)
- 実印
公正証書を作ったあとは
公正証書は原文が公証役場で保管されます。
1通は自分が保管。
1通は家族が持っていてくれると安心かなと思いました。
なぜなら急に
「あなたはがんで余命1ヶ月だよ」
と医師に言われたら、自分で持っている分を主治医に渡せばいいし、急に事故や病気で意識不明の重体になった時は、家族が持ってくれている1通を病院に渡してくれるよう、依頼しておけばいいと思うからです。
少なくとも、私はそうする予定です。
公正証書を作ってひとまずは安心しましたが、そのときの主治医が確認しなければただの紙切れです。
せっかく作った公正証書を活用できるための準備が必要でしょう。
基本的に「死について話すなんて縁起でもない!」という風潮が強いですが、生きている延長に死があるのは明らかであり、自然なことですものね。
そして、正直なところこの例文を見て、
「よし、私もこれで尊厳死宣言公正証書を作ろう!」
と思われても良いと思いますが、この先、この内容をもっと深掘りしたKindle本を出版予定です。
とても悲しいことに、この尊厳死宣言公正証書を作成しただけでも足りないという現実に、その後直面しました。
では、なにが解決策なのか!?
そこも今後きちんと検証しつつ、書いていきたいと思います。
ぜひ、楽しみにしていただけるとうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
ご不明な点がありましたら、お気軽にXのDMなどでご相談くださいね。